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regenerative medicine

再生医療の安全性(品質)とリスク

再生医療の安全性(品質)とリスク

再生医療の安全性について

当クリニックで実施する再生医療は、厚生労働省の再生医療等提供計画により承認された各計画番号に基づき各種治療を実施しています。

  • PB4200009 「脊椎損傷に対する自己骨髄由来間葉系幹細胞を用いた治療」
  • PB4200026 「脳卒中に対する自己骨髄由来間葉系幹細胞を用いた治療」
  • PB4230014 「神経変性疾患に対する自己骨髄由来間葉系幹細胞を用いた治療」
  • PB4200010 「慢性疼痛に対する自己脂肪由来幹細胞による治療」
  • PB4230013 「身体の加齢性変化(フレイルおよびプレフレイル)に対する自己脂肪由来幹細胞による治療」
  • PC4200016 「悪性腫瘍の予防に対する自家NK細胞療法」

細胞の品質と安全性に関して

当クリニックで受けていただける「骨髄由来及び脂肪由来幹細胞点滴」では、患者様から採取された組織は、再生医療等の安全性の確保等に関する法律に従い、厚生労働省から特定細胞加工物製造許可を得た国内の細胞培養加工施設(CPC:Cell Processing Center)の安全キャビネット内にて細胞培養を行います。
細胞の培養、加工は陽圧管理されているクリーンルーム内で行われ、この部屋は常時ISO class7、NASA規格ではclass10,000で管理されています。更に細胞はクリーンルーム内にある安全キャビネット内で取り扱われ、ISO class5、NASA 100と更に高い洗浄度になっております。
このように厳格な品質管理のもとで、環境や作業者由来の微生物の混入リスクを低減し、高い細胞品質の保持と安全性を守っています。

細胞培養加工施設

幹細胞点滴の細胞品質保持と安全性

01

組織の採取とCPCへの輸送

患者様から採取された骨髄液や脂肪組織は厳重な保管を施し、温度管理を維持したまま、再生医療等の安全性の確保等に関する法律に従い、厚生労働省から特定細胞加工物製造許可を得た国内の細胞培養加工施設(CPC)にカテゴリーB規格で輸送され、安全キャビネット内にて細胞培養を行います。

02

目標は生細胞数1億個

臨床効果があったという報告が多い生細胞数1憶個/回を目標として細胞培養を行い、得られた細胞に間葉系幹細胞(下記で示す陽性細胞)がしっかり含まれていることを確認します。

CD73陽性:80%以上
CD90陽性:80%以上
CD105陽性:80%以上

03

細胞品質と安全性ダブルチェック

細菌感染、エンドトキシン、マイコプラズマといった菌や毒素による汚染が無く、生体内に投与可能であるかを異なる二人の検査者でダブルチェックを行います。

04

幹細胞点滴

特定認定再生医療等委員会で承認を得た再生医療担当医が、培養で得られた細胞に必要な生細胞数が含まれていること(80%以上)、幹細胞がしっかり含まれていること(CD73陽性、CD90陽性、CD105陽性:それぞれ80%以上)、汚染が無く生体内に投与可能であることを確認した後、点滴あるいは局所投与します。

05

品質証明のため採取試料半年間凍結保管

投与した細胞に問題が無かったことを証明するために、採取した試料(骨髄液・脂肪組織)を半年間、後証品として細胞加工施設内に凍結保管します。
※但し、必要量を投与するために採取した試料を全て使用してしまう場合には保管できないことがあります。

リスクと副作用について

治療において、リスクと副作用は切り離せない関係です。本来の狙いの「作用」があれば、期待していない、望ましくない作用「副作用」があります。
当クリニックでは常にリスクと副作用を念頭に置き、できる限り回避、軽減できるよう、対策を行っております。そして何より患者様に納得して治療を受けていただける様、しっかりご説明をさせていただきます。
治療について不安や疑問がある場合は、是非ご相談ください。

幹細胞によるリスクと副作用

当クリニックで使用している体性幹細胞(間葉系幹細胞)治療は、臨床開始からおよそ30年の歴史がありますが、腫瘍化(ガン化)したなどの重篤な副作用については報告をされていません。
そのため、現在「幹細胞治療」に用いられる細胞は、骨髄由来や脂肪由来といった体性幹細胞が選択されています。
しかし、骨髄細胞や脂肪組織を採取する「骨髄穿刺・脂肪採取時」や、実際に幹細胞を点滴投与する「幹細胞投与時」においてのリスクや副作用はゼロではありませんので、下記で詳しくご説明いたします。
治療について不安や疑問がある場合は、是非ご相談ください。

組織採取(骨髄穿刺・脂肪組織採取時)

triangle-down 局部麻酔薬によるリスクと副作用

リスク痛み/アレルギーによるショック症状
対策[針を刺入する時の痛み]
できるだけ極細の針を使用し麻酔を行います。

[注入の時の痛み]
神経の走行を考え、注入する麻酔薬を可能な限り少量にする様に心がけています。

triangle-down 骨髄穿刺・脂肪組織採取によリスクと副作用

リスク皮下出血/皮下血腫/感染症/穿刺部の不快感
対策[皮下出血・皮下血腫]
当クリニックでは事前に、現在内服されている血をサラサラにする薬(抗血小板や抗凝固薬)を中止することはありません。また、皮下出血・皮下血腫を予防するために、骨髄穿刺針やパンチ穿孔機の太さや径をできるだけ小さくしています。
また、骨髄穿刺では手圧や砂嚢にての圧迫止血に十分な時間をかけています。

[感染症]
処置室にて、帽子・マスク・ガウンを着用する清潔操作にて行い、採取部位にも十分な消毒を行う様にしております。

[穿刺部の不快感]
血液内科医2名の指導の下、骨髄穿刺時・脂肪組織採取時の不快感を最大限に抑える取り組みをしております。

幹細胞投与(骨髄由来・脂肪組織由来)

triangle-down 幹細胞投与によるリスクと副作用

リスク肺血栓塞栓症/アレルギーによるショック症状/感染症/点滴刺入部の発赤/熱感
対策[肺血栓塞栓症]
死細胞が混じらない様に生細胞数をカウントしています。
また、幹細胞には幹細胞マーカー(CD73、CD90、CD105)が90%以上認められていることを毎回チェックしています。そして、点滴時には幹細胞が塊にならない様に生理食塩水に溶かし、塊を除去するフィルターを使用して一定のスピードで投与することで肺梗塞を予防します。あまり遅くなりすぎると、投与できる幹細胞の量が少なくなってしまうことが分かっています。

[アレルギーによるショック症状]
患者様の状態に応じて、完全オーダーメイドの細胞培養を行うことができ、アレルギーの可能性を最大限に少なくする様に努めております。

[感染症]
当クリニックは唯一、骨髄由来幹細胞治療の基盤特許を取得している診療所であり、脂肪由来幹細胞についても院内製造と比較にならない清潔度環境下での細胞培養が可能です。勿論、細胞を培養する細胞培養加工施設は、厚生労働省令で定められる細胞GMP基準(製造管理・品質管理等に関する基準)を満たしております。最終製品に関しては、無菌検査、エンドトキシン検査、マイコプラズマ検査といった検査を行い、十分な安全性を確保しております。また、投与時にも医師により必要なチェックを行なっております。

[点滴刺入部の発赤]
点滴による感染やアレルギー、発赤、血管外への漏出などの副作用を防止するために、看護師により点滴中の観察を実施しています。

[熱感]
幹細胞を十分に洗浄することで、幹細胞以外の不純物を除去しています。